今月、ふたりのネコちゃんとのお別れがありました。
アメリカンショートヘアの小夏ちゃんと、ロシアンブルーのメルくん。
小夏ちゃんとメルくんは同じお家に暮らしていた5ニャンズのうちのふたり。
特にメルくんは若い頃に腎臓を患って以来の闘病生活でしたが、通院、投薬、点滴、療法食…と飼い主様の手厚いケアで、長い間とっても元気に過ごしていました。
小夏ちゃんもシニアさんながらとっても元気で、昨年までは検診でも異常なしと診断されていたのですが、今年に入って病気が分かり…
そんなお辛い状況の中、飼い主様は小夏ちゃんとメルくんの近況をこまめに知らせて下さり、「亡くなってからのご報告では寂しいから」と、私に小夏ちゃんとメルくんに会う時間も作ってくださいました。
メルくんは体調に波があり、食欲があって元気な日と寝床に籠って出てこない日を繰り返していたそうですが、私がお伺いした日は飼い主様と私が話しているテーブルの上に陣取って、寝転んでお腹を見せたり、足をフミフミしたり…その後ごはんのおねだりも飛び出して、ビックリするくらい元気な姿を見せてくれました。
▼これはシッターの時に撮った写真ですが、まさにこんな感じでご機嫌でした。
小夏ちゃんも食欲が落ちてほとんど食べられない状況の中、室内をスタスタ歩き回ったり、日向ぼっこをして気持ちよさそうにお昼寝したり、いつもと変わらぬ様子で過ごしていて…その姿から生命力の強さをヒシヒシと感じさせてくれました。
▼こちらもシッター中に撮りためた写真。小柄で、控えめで、奥ゆかしい性格の小夏ちゃん、いつまでも子猫のような愛らしさでした。
飼い主様とは、メールでやりとりしたり、お会いしたりした中で、本当に色々なことをお話ししました。
病気のネコちゃんとの向き合い方、動物病院の先生との信頼関係、そして何より献身的にご看病を続けられてきた日々の積み重ね…本当に尊敬できるところばかりで、些細な会話からも勉強させていただくことがたくさんありました。
いつもシッターの帰り際はワンちゃんネコちゃんに「またねー」と声をかけて帰るのですが、その「またね」が果たせないままお別れになってしまい、悲しい思いをしたこともたくさんありました。
小夏ちゃんとメルくんとは、最後に元気な姿を一目見てからお別れすることができて、飼い主様には感謝の気持ちでいっぱいです。
最期は小夏ちゃんもメルくんもご家族が揃うタイミングを待って、最愛の飼い主様のお膝の上で旅立ったとのこと、ふたりとも飼い主様思いの頑張り屋さんでした。
立て続けに愛猫との別れを迎えた飼い主様の悲しみは察するに余りあるほどで、胸が痛みます。
でも、先に旅立ったメルくんは、数日後にあちらで小夏ちゃんと再会できて、きっと心強かっただろうな。。
虹の橋で元気に走り回るふたりの姿を思い浮かべながら、舞い散る桜と季節外れの雪を眺めている弥生の終わりです。
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2020年03月29日
2020年03月19日
ペットシッター業界への影響は?
依然として世界を脅かしている新型コロナウイルス、健康被害はもちろんのこと、経済に与えるダメージも深刻で、連日テレビでは様々な業界の事業者さんが経営の危機に瀕していると報道されています。
そんな中、最近お客様との会話の中で「ペットシッター業界にも影響ありますか?」と聞かれることが多いので、今日はこれをテーマにお話ししたいと思います。
我々ペットシッターは、ほとんどの事業者が犬または猫のお世話をメインとしています。
私のように犬猫両方のお世話をしているシッターもいれば、犬専門、猫専門のシッターもいます。
犬と猫を比較してみると、朝夕のお散歩と食事のお世話が必要な犬の方が、圧倒的にシッターを必要とする時間のスパンが短い傾向にあります。
飼い主様が泊まりがけでご不在の場合はもちろんのこと、その日のうちに帰宅される場合でも、
・残業
・アフター5のご予定
・日帰りのお出かけ
などを理由に需要が発生します。
これに対し猫は(投薬などが必要な子を除き)飼い主様がその日のうちにお帰りになる場合はほとんど需要がなく、泊まりがけでご不在になる場合に初めて需要が発生するケースが多いです。
ですので、旅行や出張をキャンセルされている方が多い現状を考えると、おそらく猫専門のシッターさんはかなり影響を受けている方が多いのではないかと思います。
当店に関していえば、常連さんに圧倒的にワンちゃんの飼い主様が多いので、おかげさまでさほど影響は受けていません。
先月はヘトヘトになるほど忙しかったですし、今月に入ってもご旅行、ご出張、ご帰省予定だったお客様のキャンセルが3件入ったのみ。
中には「在宅勤務になったのですが、仕事をしている間は家にいても(ワンちゃんたちの)相手をしてあげられないので」と変わらずお散歩のご依頼をくださるお客様もいらっしゃって…ありがたい限りです。
それでも、例年繁忙期となる春休みシーズン(3月後半)の忙しさは少し和らいでいるので、中断していた通信教育の勉強を再開したり、年度替わりの書類のファイリングや整理をしたり、事務仕事も溜め込まずに処理できたりと、空いた時間の有効活用もできて、デスク周りも頭の中も例年よりスッキリしています(^-^)
もしも私が猫専門のシッターだったら、今頃はアルバイトでもしていたかもしれません。
犬のお世話も承っていること、そしてたくさんの常連さんがいて下さるおかげで、経営危機に至らずに済んでいること、本当にありがたいことだなとつくづく感じます。
ひとつのジャンルに特化して専門性を高めるのももちろん素晴らしい働き方だと思いますが、安定した経営のためには事業の柱をいくつか持っておくことも必要だなと、新型コロナウィルスの影響を受け、思いがけず働き方を見つめ直すいい機会となりました。
実は今、新しい仕事のオファーをいただいており、さらに自分でも新たに始めたいこともあり、色々準備中の日々を送っています。
(シッター業務はこれまで通り続けますのでご安心ください。。)
非常事態、時代の流れ、ジャックやキキの老化、そして自分自身の加齢に伴う体力の低下…この先訪れるであろう色々なハードルに備えて、柔軟な働き方ができるよう工夫をしていきたいなと思っている今日この頃です。
↓写真は世相や経営なんてどこ吹く風の看板猫・キキ。
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そんな中、最近お客様との会話の中で「ペットシッター業界にも影響ありますか?」と聞かれることが多いので、今日はこれをテーマにお話ししたいと思います。
我々ペットシッターは、ほとんどの事業者が犬または猫のお世話をメインとしています。
私のように犬猫両方のお世話をしているシッターもいれば、犬専門、猫専門のシッターもいます。
犬と猫を比較してみると、朝夕のお散歩と食事のお世話が必要な犬の方が、圧倒的にシッターを必要とする時間のスパンが短い傾向にあります。
飼い主様が泊まりがけでご不在の場合はもちろんのこと、その日のうちに帰宅される場合でも、
・残業
・アフター5のご予定
・日帰りのお出かけ
などを理由に需要が発生します。
これに対し猫は(投薬などが必要な子を除き)飼い主様がその日のうちにお帰りになる場合はほとんど需要がなく、泊まりがけでご不在になる場合に初めて需要が発生するケースが多いです。
ですので、旅行や出張をキャンセルされている方が多い現状を考えると、おそらく猫専門のシッターさんはかなり影響を受けている方が多いのではないかと思います。
当店に関していえば、常連さんに圧倒的にワンちゃんの飼い主様が多いので、おかげさまでさほど影響は受けていません。
先月はヘトヘトになるほど忙しかったですし、今月に入ってもご旅行、ご出張、ご帰省予定だったお客様のキャンセルが3件入ったのみ。
中には「在宅勤務になったのですが、仕事をしている間は家にいても(ワンちゃんたちの)相手をしてあげられないので」と変わらずお散歩のご依頼をくださるお客様もいらっしゃって…ありがたい限りです。
それでも、例年繁忙期となる春休みシーズン(3月後半)の忙しさは少し和らいでいるので、中断していた通信教育の勉強を再開したり、年度替わりの書類のファイリングや整理をしたり、事務仕事も溜め込まずに処理できたりと、空いた時間の有効活用もできて、デスク周りも頭の中も例年よりスッキリしています(^-^)
もしも私が猫専門のシッターだったら、今頃はアルバイトでもしていたかもしれません。
犬のお世話も承っていること、そしてたくさんの常連さんがいて下さるおかげで、経営危機に至らずに済んでいること、本当にありがたいことだなとつくづく感じます。
ひとつのジャンルに特化して専門性を高めるのももちろん素晴らしい働き方だと思いますが、安定した経営のためには事業の柱をいくつか持っておくことも必要だなと、新型コロナウィルスの影響を受け、思いがけず働き方を見つめ直すいい機会となりました。
実は今、新しい仕事のオファーをいただいており、さらに自分でも新たに始めたいこともあり、色々準備中の日々を送っています。
(シッター業務はこれまで通り続けますのでご安心ください。。)
非常事態、時代の流れ、ジャックやキキの老化、そして自分自身の加齢に伴う体力の低下…この先訪れるであろう色々なハードルに備えて、柔軟な働き方ができるよう工夫をしていきたいなと思っている今日この頃です。
↓写真は世相や経営なんてどこ吹く風の看板猫・キキ。
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2020年03月16日
『高齢ペットとの暮らし方セミナー』を受講してきました。
もう2週間ほど前のことになりますが…
去る2月29日、中区役所にて開催された『高齢ペットとの暮らし方セミナー』を受講してきました。
今回のセミナーは地元のドッグトレーナーさんによる講演と、獣医師さんによる講演の2部構成でした。
簡単ですがセミナーのレポートも兼ね、講演の要旨をまとめておきます。
第1部はドッグトレーナーの大久保先生によるシニア犬のケアに関するお話。
健康に歳を重ねていくには日頃どんなケアを行っていけば良いか、特に食事、健康管理、お手入れ、マッサージ、運動、リフレッシュトレーニングの6つのポイントに絞って解説してくださいました。
■食事…まずは食べてもらうことが大前提!
・若い頃よりも消化吸収能力が低下しているシニア犬の食事は形状(ドライ、ウェット、ふやかす)や回数を工夫する。
・食事がその子に合っているかどうかはウンチの状態の善し悪しで確認。
・価格が高いフードはそれなりに考えられていて質も高いが、それが我が子に合うフードだとは限らない。フードが多様化した現在、店員さんんに聞いたり、最低でも1ヶ月はじっくり時間をかけて試したりしながら決めると良い。
■健康管理…変化を把握する。
<チェックポイント>
・活力、反応(目の輝き、動き、呼んだ時の反応など)
・食欲
・体臭
・尿、便の状態
・皮膚の状態(できもの、フケ、べたつき、赤くなっている、ニオイなど)
■お手入れ…無理は禁物!
・ブラッシング
イボなどに注意し、無理にやらないこと。
もつれや毛玉がある時は、毛先からブラシやスリッカーなどでほぐし、仕上げにコームでとかす。
最初からコームを使うのは皮膚への負担が大きいのでNG。
・シャンプー
乾燥をしっかり行うこと。乾燥が不十分だと皮膚トラブルの原因に。
・足裏、爪切り
足裏の毛が伸びていると滑りやすく足腰を痛める原因に。
・肛門腺絞り
※シャンプー、足裏、爪切り、肛門腺絞りは無理せずプロ(トリマーや動物病院)の手を借りるのがおすすめ。
■マッサージ…強くせず、やさしく。
マッサージを習慣化することで体の変化(腫瘍など)が分かる。
ただし、腫瘍がある場合のリンパマッサージは控える。
※参考書籍⇒『ワンちゃんのリンパマッサージ』
■運動…無理せず極力継続!
・無理な運動は禁物だがお散歩は極力継続していくこと。(足腰が弱った子でも、補助具を使ってお散歩を継続した方が良い)
・なるべくやわらかい地面(コンクリートではなく土や芝生の上)を歩く。靴下や靴を履いて衝撃を和らげるのも有効。
■リフレッシュトレーニング
・頭を使う行動をさせて、脳を活性化!
└トレーニングの一例:狭いところでリードをつけてゆっくり前に歩かせたり後ろを歩かせたりする等
・犬本来の特性を呼び覚まし、活力を活性化!
└ニオイ嗅ぎで元気になる。(テリトリー意識、脳への刺激)
└他の犬とのふれあいで元気になる。(ケンカなど危険な状態にならなければ、負けん気からくる吠え合いも良い刺激に!)
若い時よりも日頃の健康管理やケアが必要になるシニア犬との暮らし。
高齢になれば頑固になる子が多く、何事も無理強いは禁物ですが、健康に歳を重ねるためにもケアや運動を続けることが大切だということが大変よくわかるお話でした。
第2部は野毛坂どうぶつ病院院長の高尾先生による、犬猫のシニア期に多い病気に関するお話。
シニア犬猫に多い病気のサインや、その病気のメカニズム、治療方法などについて、体系立てて分かりやすく解説してくださいました。
■犬に多い病気
【白内障】
・レンズの変性に伴う視力の低下と消失
・発症のサイン:目が白くなってきた、夜の散歩を嫌がるようになった、物にぶつかるようになった
・治療方法:外科手術
・予防方法:点眼薬、抗酸化サプリメント
※白内障と間違えやすい症状に、加齢による核の硬化症がある。白内障を疑って病院を訪れるワンちゃんの8割が核の硬化症で、目は白濁するが、これは単純な老化で視力も失われないので治療不要。
【弁膜症(慢性心臓病)】
・僧帽弁(血液の逆流防止弁)の閉鎖不全。これにより血液の逆流が起こっていると聴診時に心雑音が聞こえる。
・発症のサイン:咳が増えた、疲れやすくなった、呼吸が速くなった
・治療方法:投薬(日本では外科治療による根治も可能だが、リスク・費用負担共に大きい)
【副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)】
・脳下垂体や副腎の腫瘍を原因とするホルモンの過剰分泌による弊害
・発症のサイン:飲水量が増えた、尿量が増えた、食欲がすごい、お腹がポッコリ膨れてきた、抜け毛が目立つようになった
・治療方法:外科手術が可能だが難易度が高く対応施設も少ない。投薬による治療が一般的。
【変形性関節症】
・加齢に伴う軟骨の変性と摩耗
・発症のサイン:散歩に行きたがらない、段差が上れない、寝起きに足を引きずる、歩幅が狭くなる、眠りが浅い
・治療方法:根治のための治療方法はなく、痛みの緩和と進行抑制のみ。
・予防方法:体重管理、適度な運動による筋力維持
【認知症】
・一度正常に達した認知機能が荒天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活に支障をきたす状態。
・発症のサイン:粗相が増えた、怒りっぽくなった、号令(待てやおすわりなど)が聞けなくなる、夜に起きてウロウロする、夜鳴きがひどくなる、上手く食べられなくなる
・治療方法:投薬と環境改善(初期は観察や環境改善、中期は環境改善やサプリメント、末期は精神安定剤や鎮静剤)
■猫に多い病気
【慢性腎臓病】
・腎臓の機能不全
・発症のサイン:飲水量が増えた、尿量が増えた、食欲低下、痩せてきた
・治療方法:投薬、点滴、療法食
■犬猫両方に多い病気
【歯周病】
・歯を支える歯周組織の炎症と破壊(3歳以上の犬猫の8割が罹患、虫歯とは違う)
・発症のサイン:口が臭う、歯ぐきから出血する、食べこぼす、硬いものを食べない、食欲低下
・治療方法:抜歯
・予防方法:日常的なオーラルケア(歯ブラシ、歯みがきシート、デンタルガム、ペースト、スプレー等)、歯石除去
【腫瘍(がん)】
・体の中で異常な細胞が増え続ける疾病。良性腫瘍と悪性腫瘍がある。
・発症のサイン:罹患部位によって様々(しこりができた、発作を起こした、足を引きずっている、咳が増えた…等)。いつもと様子が違ったら早めに獣医師に相談を!
・治療方法:外科手術、化学療法、放射線療法、緩和ケア
※手術や抗がん剤で根治ができなかった場合でも、がんで弱っている子を元気に(QOLを向上)することができる。
最後に、先生のお話の中でどの病気の子にも当てはまる、素晴らしい言葉があったのでご紹介します。
・どんな病気にも「これが正しい治療法」というものはない。
・治療方法は必ずしも「ベスト」でければならないということはない。「ベター」を探っていきましょう。
病気の治療には手術、投薬などの積極的治療ができるものから、様子をみるしかなく積極的治療方法が特にないものまで、様々あります。
手術ができるかどうかはその子の体力や年齢によっても変わってきますし、お薬が体に合わない子もいます。
さらに、病気の症状以上に通院が苦痛な(ストレスになる)子は、通院や治療を避けるのもひとつの選択肢です。
…そう聞いて、老犬老猫の一飼い主である私自身も、とっても気持ちが楽になりました。
どんな子も生きている以上歳を取り、いつか寿命を迎えます。
その覚悟を持ち、老いや病を受け入れ、困った時や迷った時に何でも相談できる主治医を持つこと、それが飼い主さんの一番の仕事です…という先生の言葉で講演は締めくくられました。
高尾先生のご講演、終始とっても落ち着いた優しい語り口で、何だか動物病院の診察室で先生の説明を聞いているような気分でした。
医学的、専門的な内容も分かりやすい言葉に置き換えて下さり、聞きやすく、理解しやすかったです。
日頃多くの飼い主さんに寄り添い、丁寧な診療をされている先生なのだということが伝わってきました。
新型コロナウィルスが感染拡大する中、セミナーが中止にならないか心配でしたが、是非とも受講したかったので無事開催されて本当に良かったです。(受講者は20〜30名の小規模でした)
会議室前にはアルコール消毒液、受講者は1席ずつ間を空けて着席、講師の先生や職員さんは全員マスク着用…と、安心して受講できる環境を作ってくださった中区役所さんには感謝しかありません!
この日学んだことはすぐに役立つことばかりでしたので、早速日々の生活や仕事に還元していけたらと思います。
▼会場の一角に設けられた、介護グッズの展示エリア。
皆さん手に取って熱心に見学されていました。
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去る2月29日、中区役所にて開催された『高齢ペットとの暮らし方セミナー』を受講してきました。
今回のセミナーは地元のドッグトレーナーさんによる講演と、獣医師さんによる講演の2部構成でした。
簡単ですがセミナーのレポートも兼ね、講演の要旨をまとめておきます。
第1部はドッグトレーナーの大久保先生によるシニア犬のケアに関するお話。
健康に歳を重ねていくには日頃どんなケアを行っていけば良いか、特に食事、健康管理、お手入れ、マッサージ、運動、リフレッシュトレーニングの6つのポイントに絞って解説してくださいました。
■食事…まずは食べてもらうことが大前提!
・若い頃よりも消化吸収能力が低下しているシニア犬の食事は形状(ドライ、ウェット、ふやかす)や回数を工夫する。
・食事がその子に合っているかどうかはウンチの状態の善し悪しで確認。
・価格が高いフードはそれなりに考えられていて質も高いが、それが我が子に合うフードだとは限らない。フードが多様化した現在、店員さんんに聞いたり、最低でも1ヶ月はじっくり時間をかけて試したりしながら決めると良い。
■健康管理…変化を把握する。
<チェックポイント>
・活力、反応(目の輝き、動き、呼んだ時の反応など)
・食欲
・体臭
・尿、便の状態
・皮膚の状態(できもの、フケ、べたつき、赤くなっている、ニオイなど)
■お手入れ…無理は禁物!
・ブラッシング
イボなどに注意し、無理にやらないこと。
もつれや毛玉がある時は、毛先からブラシやスリッカーなどでほぐし、仕上げにコームでとかす。
最初からコームを使うのは皮膚への負担が大きいのでNG。
・シャンプー
乾燥をしっかり行うこと。乾燥が不十分だと皮膚トラブルの原因に。
・足裏、爪切り
足裏の毛が伸びていると滑りやすく足腰を痛める原因に。
・肛門腺絞り
※シャンプー、足裏、爪切り、肛門腺絞りは無理せずプロ(トリマーや動物病院)の手を借りるのがおすすめ。
■マッサージ…強くせず、やさしく。
マッサージを習慣化することで体の変化(腫瘍など)が分かる。
ただし、腫瘍がある場合のリンパマッサージは控える。
※参考書籍⇒『ワンちゃんのリンパマッサージ』
■運動…無理せず極力継続!
・無理な運動は禁物だがお散歩は極力継続していくこと。(足腰が弱った子でも、補助具を使ってお散歩を継続した方が良い)
・なるべくやわらかい地面(コンクリートではなく土や芝生の上)を歩く。靴下や靴を履いて衝撃を和らげるのも有効。
■リフレッシュトレーニング
・頭を使う行動をさせて、脳を活性化!
└トレーニングの一例:狭いところでリードをつけてゆっくり前に歩かせたり後ろを歩かせたりする等
・犬本来の特性を呼び覚まし、活力を活性化!
└ニオイ嗅ぎで元気になる。(テリトリー意識、脳への刺激)
└他の犬とのふれあいで元気になる。(ケンカなど危険な状態にならなければ、負けん気からくる吠え合いも良い刺激に!)
若い時よりも日頃の健康管理やケアが必要になるシニア犬との暮らし。
高齢になれば頑固になる子が多く、何事も無理強いは禁物ですが、健康に歳を重ねるためにもケアや運動を続けることが大切だということが大変よくわかるお話でした。
第2部は野毛坂どうぶつ病院院長の高尾先生による、犬猫のシニア期に多い病気に関するお話。
シニア犬猫に多い病気のサインや、その病気のメカニズム、治療方法などについて、体系立てて分かりやすく解説してくださいました。
■犬に多い病気
【白内障】
・レンズの変性に伴う視力の低下と消失
・発症のサイン:目が白くなってきた、夜の散歩を嫌がるようになった、物にぶつかるようになった
・治療方法:外科手術
・予防方法:点眼薬、抗酸化サプリメント
※白内障と間違えやすい症状に、加齢による核の硬化症がある。白内障を疑って病院を訪れるワンちゃんの8割が核の硬化症で、目は白濁するが、これは単純な老化で視力も失われないので治療不要。
【弁膜症(慢性心臓病)】
・僧帽弁(血液の逆流防止弁)の閉鎖不全。これにより血液の逆流が起こっていると聴診時に心雑音が聞こえる。
・発症のサイン:咳が増えた、疲れやすくなった、呼吸が速くなった
・治療方法:投薬(日本では外科治療による根治も可能だが、リスク・費用負担共に大きい)
【副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)】
・脳下垂体や副腎の腫瘍を原因とするホルモンの過剰分泌による弊害
・発症のサイン:飲水量が増えた、尿量が増えた、食欲がすごい、お腹がポッコリ膨れてきた、抜け毛が目立つようになった
・治療方法:外科手術が可能だが難易度が高く対応施設も少ない。投薬による治療が一般的。
【変形性関節症】
・加齢に伴う軟骨の変性と摩耗
・発症のサイン:散歩に行きたがらない、段差が上れない、寝起きに足を引きずる、歩幅が狭くなる、眠りが浅い
・治療方法:根治のための治療方法はなく、痛みの緩和と進行抑制のみ。
・予防方法:体重管理、適度な運動による筋力維持
【認知症】
・一度正常に達した認知機能が荒天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活に支障をきたす状態。
・発症のサイン:粗相が増えた、怒りっぽくなった、号令(待てやおすわりなど)が聞けなくなる、夜に起きてウロウロする、夜鳴きがひどくなる、上手く食べられなくなる
・治療方法:投薬と環境改善(初期は観察や環境改善、中期は環境改善やサプリメント、末期は精神安定剤や鎮静剤)
■猫に多い病気
【慢性腎臓病】
・腎臓の機能不全
・発症のサイン:飲水量が増えた、尿量が増えた、食欲低下、痩せてきた
・治療方法:投薬、点滴、療法食
■犬猫両方に多い病気
【歯周病】
・歯を支える歯周組織の炎症と破壊(3歳以上の犬猫の8割が罹患、虫歯とは違う)
・発症のサイン:口が臭う、歯ぐきから出血する、食べこぼす、硬いものを食べない、食欲低下
・治療方法:抜歯
・予防方法:日常的なオーラルケア(歯ブラシ、歯みがきシート、デンタルガム、ペースト、スプレー等)、歯石除去
【腫瘍(がん)】
・体の中で異常な細胞が増え続ける疾病。良性腫瘍と悪性腫瘍がある。
・発症のサイン:罹患部位によって様々(しこりができた、発作を起こした、足を引きずっている、咳が増えた…等)。いつもと様子が違ったら早めに獣医師に相談を!
・治療方法:外科手術、化学療法、放射線療法、緩和ケア
※手術や抗がん剤で根治ができなかった場合でも、がんで弱っている子を元気に(QOLを向上)することができる。
最後に、先生のお話の中でどの病気の子にも当てはまる、素晴らしい言葉があったのでご紹介します。
・どんな病気にも「これが正しい治療法」というものはない。
・治療方法は必ずしも「ベスト」でければならないということはない。「ベター」を探っていきましょう。
病気の治療には手術、投薬などの積極的治療ができるものから、様子をみるしかなく積極的治療方法が特にないものまで、様々あります。
手術ができるかどうかはその子の体力や年齢によっても変わってきますし、お薬が体に合わない子もいます。
さらに、病気の症状以上に通院が苦痛な(ストレスになる)子は、通院や治療を避けるのもひとつの選択肢です。
…そう聞いて、老犬老猫の一飼い主である私自身も、とっても気持ちが楽になりました。
どんな子も生きている以上歳を取り、いつか寿命を迎えます。
その覚悟を持ち、老いや病を受け入れ、困った時や迷った時に何でも相談できる主治医を持つこと、それが飼い主さんの一番の仕事です…という先生の言葉で講演は締めくくられました。
高尾先生のご講演、終始とっても落ち着いた優しい語り口で、何だか動物病院の診察室で先生の説明を聞いているような気分でした。
医学的、専門的な内容も分かりやすい言葉に置き換えて下さり、聞きやすく、理解しやすかったです。
日頃多くの飼い主さんに寄り添い、丁寧な診療をされている先生なのだということが伝わってきました。
新型コロナウィルスが感染拡大する中、セミナーが中止にならないか心配でしたが、是非とも受講したかったので無事開催されて本当に良かったです。(受講者は20〜30名の小規模でした)
会議室前にはアルコール消毒液、受講者は1席ずつ間を空けて着席、講師の先生や職員さんは全員マスク着用…と、安心して受講できる環境を作ってくださった中区役所さんには感謝しかありません!
この日学んだことはすぐに役立つことばかりでしたので、早速日々の生活や仕事に還元していけたらと思います。
▼会場の一角に設けられた、介護グッズの展示エリア。
皆さん手に取って熱心に見学されていました。
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2020年03月11日
あれから9年――在宅避難の備えはできていますか?
今日で東日本大震災の発生から9年。
テレビ越しに見る被災地は、復興が進んでいるところと、時が止まったままのようなところが混在していて「まだまだこれからだな」と感じます。
現在日本は新型コロナウィルス騒動の影響が大きく、マスクを始め日用品や一部食料品の品薄も続いていて、じっくり災害への備えをしたり考えたりできる状況にない方がきっと多いことと思います。
ただ、こんな状況下でも災害は起こるかもしれません。
もしかしたら、それは今から数分後かもしれません。
もし今災害が起こったら――。
依然として人が集まることへの自粛が求められる中、大勢の人が押し寄せる避難所生活は困難を極めることが予想されます。
そもそも避難所のキャパシティに対し、その地域に住む人、犬、猫の数を考えたら、全員が入ることは不可能です。
避難所に行っても満員で入ることすらできないということも充分に考えられます。
ひと昔前は、災害が起きたら「リュック(非常用持出袋)を背負って避難所へ」が合言葉でした。
しかし時の流れと共に、現在は「いかに在宅避難をするか」が重要なポイントとなりつつあります。
まずは最低限1週間分の水・食料・トイレ用品・ペット用品を備蓄しましょう。
そして、絶えずその状態をキープできるよう、ローリングストックをしましょう。
数分後に来るかもしれない災害のために、愛犬・愛猫を守るために、是非今できる準備に今取り組んでほしいなと思います。
最後に、今日はオススメのYoutube番組をひとつご紹介します。
ポチたまでおなじみの松本秀樹さんが、「防災とペット」をテーマに、特に在宅避難の備えの重要性について分かりやすくお話ししています。
3月11日。
被災地へ想いを馳せつつ、不要不急の外出は控えてYoutubeで災害対策のお勉強はいかがですか?
▼松本秀樹の犬のことなら何でも聞いて!!
「防災とペットの扱い」について
https://youtu.be/2xYBX6LZkjM
▼ブログランキング参加中!いつも応援ありがとうございますm(_ _)m
テレビ越しに見る被災地は、復興が進んでいるところと、時が止まったままのようなところが混在していて「まだまだこれからだな」と感じます。
現在日本は新型コロナウィルス騒動の影響が大きく、マスクを始め日用品や一部食料品の品薄も続いていて、じっくり災害への備えをしたり考えたりできる状況にない方がきっと多いことと思います。
ただ、こんな状況下でも災害は起こるかもしれません。
もしかしたら、それは今から数分後かもしれません。
もし今災害が起こったら――。
依然として人が集まることへの自粛が求められる中、大勢の人が押し寄せる避難所生活は困難を極めることが予想されます。
そもそも避難所のキャパシティに対し、その地域に住む人、犬、猫の数を考えたら、全員が入ることは不可能です。
避難所に行っても満員で入ることすらできないということも充分に考えられます。
ひと昔前は、災害が起きたら「リュック(非常用持出袋)を背負って避難所へ」が合言葉でした。
しかし時の流れと共に、現在は「いかに在宅避難をするか」が重要なポイントとなりつつあります。
まずは最低限1週間分の水・食料・トイレ用品・ペット用品を備蓄しましょう。
そして、絶えずその状態をキープできるよう、ローリングストックをしましょう。
数分後に来るかもしれない災害のために、愛犬・愛猫を守るために、是非今できる準備に今取り組んでほしいなと思います。
最後に、今日はオススメのYoutube番組をひとつご紹介します。
ポチたまでおなじみの松本秀樹さんが、「防災とペット」をテーマに、特に在宅避難の備えの重要性について分かりやすくお話ししています。
3月11日。
被災地へ想いを馳せつつ、不要不急の外出は控えてYoutubeで災害対策のお勉強はいかがですか?
▼松本秀樹の犬のことなら何でも聞いて!!
「防災とペットの扱い」について
https://youtu.be/2xYBX6LZkjM
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2020年03月04日
休業日変更ならびにセミナー中止のお知らせ
休業日変更ならびにセミナー中止のお知らせです。
■3月7日(土)午後の休業を取りやめます。
7日午後はお墓参りのため休業させていただく予定でしたが、参列者の新型コロナウイルス感染予防のため、中止となりました。
これに伴い7日は午後も通常どおり営業させていただきます。
■3月20日(金・祝)午後の休業を取りやめます。
20日午後は講習会受講のため休業させていただく予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため講習会が中止となりました。
これに伴い20日は午後も通常どおり営業させていただきます。
※なお、20日午後に私が受講する予定だった講習会は、2月19日のブログでもご紹介させていただきました『災害時のペット対策講習会』でした。
こちらが中止となりましたことも、併せてご報告させていただきます。
改めまして、現在決定している休業日は、以下の通りです。
【8月末までの休業日】
・4月11日(土)〜13日(月) 3日間終日
体調管理のため3日間休養を取らせていただきます。
・4月19日(日) 午後のみ
法事のため、午後半日休業します。
・6月29日(月)または30日(火)のいずれか 午後のみ
所用のため、午後半日休業します。
※29日と30日のいずれが休業日になるかは、4月に確定します。
確定次第、空いた1日は営業日として開放し、ご予約を受け付けます。
・3月、5月、7月、8月は今のところ休まず営業する予定です。
休業日の一覧はホームページに常に掲載しておりますので、下記もあわせてご参照ください。
▼ホームページ ご予約空き状況カレンダー(休業日情報含む)
http://www.greenjack.jp/calender.html
どうぞよろしくお願いいたします。
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■3月7日(土)午後の休業を取りやめます。
7日午後はお墓参りのため休業させていただく予定でしたが、参列者の新型コロナウイルス感染予防のため、中止となりました。
これに伴い7日は午後も通常どおり営業させていただきます。
■3月20日(金・祝)午後の休業を取りやめます。
20日午後は講習会受講のため休業させていただく予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため講習会が中止となりました。
これに伴い20日は午後も通常どおり営業させていただきます。
※なお、20日午後に私が受講する予定だった講習会は、2月19日のブログでもご紹介させていただきました『災害時のペット対策講習会』でした。
こちらが中止となりましたことも、併せてご報告させていただきます。
改めまして、現在決定している休業日は、以下の通りです。
【8月末までの休業日】
・4月11日(土)〜13日(月) 3日間終日
体調管理のため3日間休養を取らせていただきます。
・4月19日(日) 午後のみ
法事のため、午後半日休業します。
・6月29日(月)または30日(火)のいずれか 午後のみ
所用のため、午後半日休業します。
※29日と30日のいずれが休業日になるかは、4月に確定します。
確定次第、空いた1日は営業日として開放し、ご予約を受け付けます。
・3月、5月、7月、8月は今のところ休まず営業する予定です。
休業日の一覧はホームページに常に掲載しておりますので、下記もあわせてご参照ください。
▼ホームページ ご予約空き状況カレンダー(休業日情報含む)
http://www.greenjack.jp/calender.html
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