2024年03月24日

幸せネコちゃんのシンデレラストーリー<第2話>

幸せネコちゃんのシンデレラストーリー<第1話>の続きです。

9年前に初回のシッターご依頼を受け、初めて会った地域猫のリンちゃん&レオちゃん(当時推定3〜4歳)
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ご契約とお世話方法の打ち合わせのためご自宅に伺い、ふたりの生活環境を見せていただくと、これまで地域猫ちゃんのお世話の様子を何軒か見てきた中で「だいたいこんな感じかなぁ」と想像していたものとはるかにレベルが違っていて驚きました。



まずは、食事。

ごはんは朝晩2回と、お昼の間食で1日3回。
朝晩のごはんはドライフードとウェットフードを、飽きないよう毎日違う種類のものをローテーションしながらもらっていて、間食にはちゅ〜るやスープなど水分補給ができるものを。
「おかわり」や「もうちょっと違うもの食べたいなぁ」というふたりのリクエストにもできる限り応えていらっしゃいました。
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▲ドライフードに、ウェットフードに、おやつ…お皿をたくさん並べて豪華フルコース!

ふたりの暮らすエリアは緑豊かで虫や小動物も多い場所だったので、食べ物を出しっぱなしにして他の猫、カラス、タヌキ、アライグマなど他の動物が食べに来ることがないよう、食事が終わるまで見守り、終わったらすぐに片付けて食器を洗浄。
常に置いてあるのは飲み水の器だけ、という状態を徹底していました。



次に、住環境。

寝床は敷地内の屋根のある場所に、ふたり一緒に入れる大きさのハウスを設置してもらい、ハウスの中には夏は肌触りの良いタオルを、冬には暖かい毛布を敷いてもらっていました。
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雨の日の翌日には濡れて汚れたタオルや毛布は新しいものに交換してもらったり、寒さが厳しい季節には暖を取れるよう毛布の間に使い捨てカイロを挟んでもらったりと、常に快適で衛生的な環境をキープ。
(どの写真を見てもわかりますが、リンちゃん&レオちゃんとても毛並みが良く、被毛の白い部分が真っ白で、食事と衛生面の充実を物語っています!)

さらにジャングルジムや爪とぎ、
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日向ぼっこができるベンチも置いてもらい、
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夏には暑さをしのげるようサンシェードで日陰も作ってもらっていました。
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そして、外で暮らすネコちゃんにはつきもののトイレの問題。
飼い主様はご自宅の庭の一角に砂場を作ってふたりのトイレも準備しました。
それでも外で過ごしているふたりの排泄を100%コントロールできるわけではありませんでしたが、そこは近隣のご理解を得てお世話をスタートされているため大きなトラブルやクレームになることはなく。
飼い主様も最初に話を通して終わりにはせず、折に触れて「ご迷惑おかけしていませんか?」とご近所さんへのご挨拶やご配慮を欠かさず続けておられました。



以上のように、ふたりが過ごしているのが外であるということを除いては、お家で飼われているネコちゃんと遜色ない環境で、ふたりが想像の何倍も、何十倍も手厚いお世話をされていることにただただ驚き、これをずっと継続してこられた飼い主様に頭の下がる思いでした。



社交的で空気を読むのが上手なリンちゃんと、人見知りで警戒心が強いレオちゃん。

リンちゃんは私が伺うといつもご機嫌でお出迎えしてくれて、ごはんを食べに来なかった日は一度もなく皆勤賞💮
一方、警戒心の強いレオちゃんは、昼間出かけた先で怖い思いをしたり、お家の近くで工事をしていたり、お家への道中に他の猫がいたりすると、ごはんを食べにお家に戻って来られないということがありました。
ごはんの合図の呼び鈴を鳴らしてもご近所を見回っても姿がなく…諦めて食器を全部片付け、戸締まりをし、次のご予約のお客様宅へ向かおうとしたところにひょっこり帰って来たレオちゃんの姿を見つけ、もう一度お家に戻ってごはんをあげたこともよくありました。
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▲私が帰る頃にひょっこり「あのー…今帰ってきたんですけど…」のレオちゃん。

次の予定もあるし、時間もオーバーしてしまうし、レオちゃんに気づかないふりをして移動することもできないわけではありませんでしたが、それはどうしてもできず…
外で暮らす地域猫ちゃんにとって、1食1食のごはんは大切なライフライン。
お家で飼われているネコちゃんなら明日も確実にそこに居てくれますが、外で暮らすネコちゃんは明日も必ず会えるという確証はありません。
なのでどんな状況でも会えた時には確実にごはんをあげるということを徹底していました。

さらに、ふたりと接する時にはもうひとつ心がけていたことがありました。
それは、信頼関係は築きますが仲良くはなりすぎないということ。
その理由は6年前の記事に綴っていますので、ご興味のある方は下記リンクからご覧くださいね。
 ↓
2018年6月29日掲載:地域猫ちゃんのお世話



そもそもリンちゃん&レオちゃんのシッターにお伺いすることになったきっかけは、飼い主様が離れて暮らすお母様のところへ定期的に帰省をする必要があったため。

最初のきっかけは「帰省」でしたが、その後9年間シッターにお伺いする間に飼い主様ご家族や、ヘイジくん、リンちゃん&レオちゃんを取り巻く状況も少しずつ変わっていき…ライフステージが進んでいくにつれ、シッターが必要になるタイミングも、ご要望も変化していきました。

まずは心臓に持病を抱えていたヘイジくんのお留守番。
若くて健康な頃は常に人の目がある方が安心なためペットホテルを利用されていましたが、警戒心が強く人見知り&犬見知りするヘイジくん、ペットホテルで不安や興奮を抱えながら過ごすよりも、慣れたお家でお留守番する方が心臓への負担が少ないのではとの理由から、シッターでのお留守番に切り替え。
これに関してはかなり前もってご相談をいただき、予行演習も何度かさせていただきました。

さらに、お母様のご病状の悪化に伴い急な帰省の可能性が出てくると、こちらも事前にお打ち合わせをさせていただき、鍵を常時お預かりする形に切り替え。
おかげで私自身も心づもりができ、有事の時にすぐ動くことができたのでとても助かりました。

さらに、数年前には飼い主様ご自身の入院に伴う長期お留守番もありましたが、既に長らくご愛顧いただいた中での信頼関係もあり、様々な事態に備えてお打ち合わせやご相談を重ねていたため、特に混乱もなく、退院の日まで滞りなくお世話を終えることができました。



リンちゃん&レオちゃんのお宅と同様に、人とペットの高齢化が同時に進行していたり、共に持病を抱えていたりというお宅はかなり多く、その一方でそれらに対する対策は充分でないお宅がまだまだ多いのが現状です。

そんな中で、飼い主様は有事になる前に様々な事態を想定し、ご家族の皆様やヘイジくん、リンちゃん&レオちゃんにとってどうするのが最善なのか、どんな対策ができるか、日々悩みながらも真剣に考え、さらに有事が2つ以上同時に起こった場合の対応の優先順位などもきちんと検討されていました。
飼い主様が悩み考える過程では、私も何度かご相談をお受けし、僭越ながらアドバイスもさせていただきましたが、そのたびに「こんなに真摯に向き合ってくださる飼い主様がいらして、ヘイジくんもリンちゃんもレオちゃんも本当に幸せだなぁ」と嬉しくなると同時に、こんな飼い主様がもっともっと増えていってくれることを願わずにはいられませんでした。



…というわけで第2話はここまで。

次回・第3話はいよいよ完結編!
リンちゃん&レオちゃんの捕獲からお家デビューまでのドキュメンタリーをお届けします。



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posted by グリーンジャック at 13:13| Comment(0) | お仕事-シッター日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月16日

幸せネコちゃんのシンデレラストーリー<第1話>

今日から3回の連載で、とびっきり幸せなネコちゃんのシンデレラストーリーをお届けします。

主役はこのふたり。
リンちゃん(左)&レオちゃん(右)。
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12年あまりの地域猫生活の末、昨年秋に晴れて家猫デビューを果たしました!

今は暖かいお家で幸せに過ごしていますが、ここに至るまでには様々なハードルがあり、決して平坦な道のりではありませんでした。
そのハードルをひとつひとつ乗り越えて来られた過程には一人でも多くの方に知っていただきたい啓発のポイントがたくさんあり、ぜひブログに残しておきたいと思い、飼い主様の許可を得て今回記事にさせていただきました。

長くなりますが、よかったらお時間のある時にお読みいただければと思います。



さかのぼること今から9年前の2015年。
まだ開業して1年も経たない私のもとに、1本のお電話が入りました。
「地域猫のシッターをお願いすることはできるのでしょうか?」と非常に遠慮がちなお問い合わせ。
詳しいお話をお聞きしようと後日お打ち合わせに伺うと、ただごはんをあげるというだけではなく、不妊去勢手術をし、必要に応じてケガや病気などの治療もし、ご近所の方の了解を得てお世話をされているとのこと。
「そういうことなら喜んでお世話させていただきます!」とシッターをお引き受けしました。

▼昔を思い出そうとブログをさかのぼっていたら…9年前のお問い合わせについて綴ったブログがありました!
2015年2月6日掲載:こんなお世話も「あり」です。



実は、このお問い合わせをくださったのは一昨年の暮れに虹の橋へと旅立った、ヘイジくんの飼い主様。
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この頃まだヘイジくんはお留守番の時にペットホテルを利用していたため、ネコちゃんたちの方が長いお付き合いなんです。

▼ちなみに、ヘイジくんのシッター予行演習、初シッターの時のブログもありました!
2015年11月12日掲載:とっても知性派!ヘイジくん
2018年5月29日掲載:GWシッター日記(その1)



話を元に戻します。
リンちゃん&レオちゃんは2011年、野良猫のお母さんからきょうだいとして生まれました。

その地域ではふたりの母猫を含め野良猫がとても多く、住民の皆さんの悩みの種でした。
ふたりが生まれてしばらくした頃、地域住民と動物愛護団体の協議の末に野良猫の一斉捕獲&不妊去勢手術が行われ…まだ幼く手術ができる月齢に達していなかったリンちゃんとレオちゃんは捕獲見送りとなりました。

すくすくと成長し、やがて手術ができる月齢となったリンちゃん&レオちゃん。
その地域にお住まいだった飼い主様はふたりの成長をずっと見守り続けていました。

ふたりを見守りながら、飼い主様の心の中にはたくさんの思いが交錯していました。
無責任な人間たちの手によって増えてしまった野良猫たちが罪もないのに疎まれ邪魔者扱いされている現状、外で暮らす野良猫たちの過酷な環境、お世話をしてあげたい、でも一時の気持ちだけで簡単に命あるもののお世話に手を出すべきではないという葛藤――真剣に自分自身と、そしてふたりの小さな命と向き合った末、ついに二人を地域猫としてお世話し続けることを決心されたそうです。

決意を固めた飼い主様は、すぐに行動を開始。
まずはふたりのお世話をすることについて、ご近所の方へご理解を得るべく、ご説明に回られました。
ふたりを不妊去勢手術の後、地域猫として自宅の敷地内でお世話することを伝えると、ご近所の皆さんの反応はとても温かく、感謝される方もいらっしゃったといいます。

地域猫活動は環境省や各自治体も推奨している活動ではありますが、外で猫のお世話をしていると(それがルールに則り、近隣に配慮された地域猫活動であっても)まだまだ嫌な顔をされることも多く、きちんと町内や近隣のご理解を得られているという前提は何よりも重要!
飼い主様がここを最初にきちんとしてくださっていたおかげで、後に私がシッターに伺ってからも本当にお世話がしやすくて助かりました。
お世話中に通り過ぎるご近所さんはリンちゃん&レオちゃんに温かいまなざしを向けてくださるだけでなく、私にも会釈をしてくださったり、「ごくろうさま〜」と声をかけてくださったり、すっかり顔見知りになって立ち話で盛り上がってしまったり、本当に穏やかで心優しい住民の方々に恵まれた場所でした。



こうして始まったリンちゃん&レオちゃんの地域猫生活。
飼い主様は充分な食事と快適な寝床を敷地内に用意してふたりを受け入れました。

最初の1〜2年は猫風邪にかかったり、他の猫に攻撃されて大けがをしたり、何日も姿を現さなかったりと心配な出来事も多かったそうですが、そのたびに病院に連れて行き、投薬をし、姿を探し、懸命に必要な治療やケアを続けた飼い主様、来る日も来る日も
「ここに来ればおなかいっぱいごはんが食べられるよ」
「ここなら安心して眠れるよ」
ということをお世話を通じて根気強くふたりに伝え続けました。
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リンちゃん&レオちゃんの地域猫生活も3年を過ぎる頃には、ふたりの体調も安定し、危険な目に遭ってケガをするようなこともなくなり、決まった行動範囲の中で穏やかな生活を送れるようになっていました。
ちょうどその頃、冒頭のお問い合わせのお電話をいただき、私は初めて飼い主様とリンちゃん&レオちゃんにお会いしたのです。
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撮りためたたくさんの写真の中から掘り起こした9年前の1枚。
初めて会った頃のリンちゃん&レオちゃん(推定3〜4歳くらい)お顔がまんまるで、まだ表情にはあどけなさも残って、可愛らしい💕


初回のお打ち合わせでふたりのお世話内容や生活環境を拝見した時、私は心底驚きました。
これまで地域猫ちゃんのお世話の様子を何軒か見てきた中で「だいたいこんな感じかなぁ」と想像していたものと、はるかに違っていたからです。


…というわけで第1話はここまで。
次回はリンちゃん&レオちゃんの驚きの地域猫ライフと、シッティングの様子、シッターが必要になった背景についてお話ししていきたいと思います。


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posted by グリーンジャック at 12:33| Comment(0) | お仕事-シッター日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年03月10日

東日本大震災から13年

明日で東日本大震災から13年。
この週末は災害への備えについて特集している番組をたくさん見ました。

毎年関心を持って見ていますが、新しい施設や取り組み、様々な防災グッズなど「1年でこんなに進化しているのか〜!!」と驚かされます。

我が家は東日本大震災をきっかけに人間と動物両方の災害時の備えを本格的にスタート。
毎年3月には防災グッズの点検をするのが恒例なのですが、今年は元日に能登で震災があったので、年明けにいつもより早く点検を済ませました。

家族の一番の関心事はやはり看板猫・キキのこと。
若い頃からキキは食へのこだわりがかなり強く、お気に入りのフードやおやつでなければ絶対に食べないので、食べてくれるフードやおやつを絶やさないよう多めのストック&ローリングストックを徹底しています。

そして、食べること以前に重要なのはもちろん安全を確保すること。
長年使っていたキキのお出かけ&通院用のキャリーバッグ、古くなりファスナーの動きが悪くなってきたので、今年は新しいものに買い換えました。

新しいキャリーバッグはリュックタイプ。
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手持ちタイプよりもリュックの方が楽に運ぶことができるのと、避難の時両手があけられるのが良いなぁと思い、これに決めました。

買い換えてもキキに入ってもらえなければ意味がない!…というわけで、届いたらすぐ部屋に置き、キキのお気に入りのブランケットを敷いてお昼寝スポットに設置。
最初の数日は警戒したように様子をうかがっていましたが、そのうち通りすがりにスリスリして自分のニオイをつけ始め、出してから1週間ほどで中に入って寝るようになりました。
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この通りリラックスして大あくび!
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来月の休業日は、早速このキャリーバッグを使ってキキとお出かけの予定♪
ペットと一緒に参拝できるキキもお気に入りの神社があるので、一緒にお参りしてきたいと思います。

ちなみにペットとのお出かけも自宅以外の場所で過ごすという立派な避難訓練!
そのことについては過去のブログにも書いてありますので、よかったらご覧くださいね。


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posted by グリーンジャック at 21:35| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする