2024年04月01日

幸せネコちゃんのシンデレラストーリー<第3話>

幸せネコちゃんのシンデレラストーリー<第2話>の続きです。
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▲シンクロ顔洗い(左:リンちゃん、右:レオちゃん)

生まれてから12年あまり、地域猫生活をしていたリンちゃん&レオちゃん。
実はリンちゃん&レオちゃんがかなり若いうちからお家に入れて飼うことを考えていらっしゃった飼い主様でしたが、そうできなかったのには様々な理由がありました。

中でももっとも大きかったのは先住犬・ヘイジくんの存在。

まずは警戒心が強いヘイジくんと、リンちゃん&レオちゃんの相性が合うかどうかの心配。
自分のテリトリーにネコちゃんが入ってくることにストレスを感じないかどうか、いつもママにべったり甘えん坊だったヘイジくんが「ママを取られた!」と焼きもちを焼くのではないか、また、外でのびのび暮らしてきたリンちゃん&レオちゃんがスペースの限られた室内で暮らすことにストレスを感じるのではないかと、思いを巡らせていらっしゃいました。

そして、相性やストレス以上に大きな問題だったのはヘイジくんの持病。
心臓に持病を抱えていたヘイジくん、晩年は症状も重かったので、環境の変化がヘイジくんの体に負荷をかけることは避けたかったのです。

いずれもやってみてうまくいく(何も問題が起こらない)可能性もないわけではありませんでしたが、うまくいかなかった時を想定するとかなりの試行錯誤や労力を要することが考えられ、当時帰省や親御さんの介護、ご家族やご自身の入退院、ヘイジくんの持病のケアが同時進行していた飼い主様にはそれをする余裕がありませんでした。

「要領よく、すべてをうまく回すことができない」と、なかば罪悪感にも近い思いを抱えて長年悩んでいらっしゃった飼い主様でしたが、そんなお悩みをお聞きするたびに必ずお伝えしていたのは「できることを、ひとつずつ、確実に」ということ。
自分一人でできることには限界があり、あれもこれもと無理にいっぺんにやろうとして途中でパンクしてしまったら元も子もないので、自分の中での優先順位を検討してみることをお勧めしました。

「優先順位」というと命あるものに順番をつけるようで一見残酷なようにも思えますが、救急医療のトリアージ同様、結局はより多くの命を救うための手段、ご家族と動物たちのためにどうすれば一番みんなが幸せになれるかの決断なのです。
しばらくしてお会いした飼い主様「年齢的な順序を考えるとお母様を看取って、ヘイジくんを見送って、そのあとシニアになったリンちゃん&レオちゃんをお家に迎えて…というステップを踏めたらいいな」と、しっかり考えを整理し、未来を見据えていらっしゃいました。



そして4年前にお母様が旅立ち、一昨年ヘイジくんも旅立つと、事態は進展。
これまでのご経験から早めに「終活」についても考え始めた飼い主様、一軒家からペット可のマンションへお引越しし、そのタイミングでリンちゃん&レオちゃんをお家に入れ、新居で一緒に生活し始めることを決意されたのです。

その頃には二人ともごはんをあげる際に扉を開けておくと玄関先までは入ってくるくらい警戒心がなくなりつつあり、
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私ももう「地域猫だから」と距離は置かず、遠慮なく仲良くなりにいきました。
おかげでこんなにリラックスした姿や、無防備にじゃれあう姿も見せてもらえるようになり、
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「きっと捕獲もうまくいくに違いない!」と安心していました。


引越翌日に飼い主様が元のお家にいらっしゃり

捕獲をしてその足で動物病院に入院

検査をし、体をきれいにして

退院したその足で新居へ

…という段取りをし、いざ捕獲当日を迎えましたが、無情にも捕獲は失敗。
警戒心の強いレオちゃんが全力で抵抗し、飼い主様の腕をざっくり引っ搔いて逃げてしまったのです。

すっかり心が折れてしまった飼い主様、すぐ捕まえられるリンちゃんだけでも先に入院させ、新居へ…と口にされていたのですが、それは絶対にやめてくださいとお願いしました。
警戒心の強いレオちゃん、ずっと一緒だったリンちゃんとここで引き離してしまったら、捕獲の可能性が下がるだけでなく、入院に伴うストレスも増す可能性が高いので、必ず同じ日に入院し、入院する部屋はリンちゃんとレオちゃん一緒にしてもらえるよう病院にお願いし、退院の日(新居に入る日)も同じにしてあげてくださいと。

さらに、これから家族として一緒に生活する飼い主様が、レオちゃんと仲良く暮らしてもらえるよう、再び捕獲に挑んでレオちゃんとの間に禍根を残すのは避けた方が良いと思い、捕獲は私がすべきだなとひそかに決意を固めていました。



捕獲失敗の翌日。
お引越し後の片付けがある飼い主様に代わって、私がリンちゃん&レオちゃんのお世話へ。
幸いレオちゃんは朝夕きちんとごはんを食べに来てくれて、夜様子を見に行くと寝床にも戻ってきてくれていました。
これはまだ捕獲のチャンスがありそうだなとホッとして、その日は帰宅。



そして翌々日。
朝のお世話にお伺いした後、帰ったふりをしてお家の中で身をひそめること20〜30分。
そっと玄関を出て寝床を覗くと、朝ごはんを食べて満腹になったレオちゃんがスヤスヤ寝ているではありませんか!!
「今だ!」と思い立ち、寝床の扉を閉め、あっけないほど一瞬で捕獲が完了。
すぐに飼い主様に連絡してこちらへ向かってもらい、飼い主様をお待ちする間にリンちゃんも捕獲して、飼い主様へ引き渡し。
ふたりは無事一緒に病院へと向かいました。

病院へ向かう車を見送って帰る道すがら、捕獲の瞬間が走馬灯のようによみがえってきました。
一瞬の出来事ではありましたが、近くにいても油断してもらえる関係が築けていたからこその捕獲成功で、ふたりと積み重ねた9年間のまさに集大成。
ホッとした瞬間じわじわと喜びがこみ上げてきました。



数日後、退院したふたりはついに新居デビュー。
用意したケージに入れてあげると、ケージから出してくれと鳴き叫ぶでもなく、暴れるでもなく、飼い主様もびっくりするほどおとなしくふたり静かに身を寄せ合っていたそうです。
最初の1週間はふたりが安心して過ごせるよう、ケージを布で覆ってあげるようアドバイスさせてもらったのですが、覆った布さえあればごはんもモリモリ食べ、トイレもきちんとでき、眠ることもできていました。
飼い主様が「ごはんを盛った器を置くと、早く食べたいから布下ろしてよって顔をしてくるんですよ」とおっしゃっていて、そのお話を聞いた私はついラーメン屋一蘭の「味集中カウンター」を連想して笑ってしまいました(笑)

ふたりが初日からお家で落ち着いて生活できていたのは、入院時の成功体験が大きいのではないかと思います。
数日間病院のケージで一緒に過ごす中で室内での生活を覚えるきっかけとなり、「ふたり一緒に居れば大丈夫」という確信を得ることもでき、今にして思うと本当にお家デビューの良いトレーニングになりました。



お家デビューから2週間ほど経った頃、ふたりの様子を見に新居にお邪魔しました。
ケージの中でまだ少し緊張した面持ちではありましたが、取り乱した様子もなく落ち着いていました。
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そして今年に入り捕獲から2ヶ月半が経った頃、再び様子を見に伺うと…ケージを出てお部屋で過ごせるようになり、すっかり家猫のオーラをまとったふたりがいました。
お気に入りのハウスで堂々とくつろぐリンちゃんと、
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パパの書斎のデスクの足元でくつろいだり、棚の隙間を秘密基地にしたり、リンちゃんほどではないにしてもそれなりにお家ライフを満喫しているレオちゃん。
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そして、間もなく5ヶ月が経とうとする現在は…
なんとリビングに出て来てお腹を見せてじゃれ合う姿が見られるまでになりました。
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様々なライフステージの変化を乗り越えて、今は心穏やかにリンちゃん&レオちゃんとの暮らしに向き合っていらっしゃる飼い主様、先日「リンとレオが私達と出会って家族に迎えられて幸せだと思ってもらえるように寄り添っていきます」と、前向きなメッセージをお寄せくださいました。

お家に入るまで12年あまりかかりましたが、決して遅いということはなく、これが飼い主様とリンちゃん&レオちゃんにとってのベストタイミング。
私もそのお手伝いができたことを本当に嬉しく思います。



最後に、本筋とは少しそれますが…

レオちゃん、そのお名前から男の子だと思って読んでくださった方も多いと思います。
実は飼い主様も私も、捕獲までは男の子だと思っていました。

というのも、12年前の不妊去勢手術の際に動物病院の先生がリンちゃんは女の子、レオちゃんが男の子という結果を飼い主様に伝えていて、飼い主様からお打ち合わせで性別を聞いた私も「三毛なのに男の子って珍しいな、でもキジ模様も入っているし、純然たる三毛猫ではないのかな」ぐらいにしか思っていませんでした。

が、昨年捕獲したレオちゃんと久々にご対面した先生、飼い主様との会話の中でレオちゃんの話になると突然「三毛だからたぶんオスじゃなくてメスですよ」と言い出したそうで…入院の数日で、結局女の子だということが確認されました。

ちなみにその先生は我が家のジャックやキキも長らくお世話になっているのですが、ジャックに小麦アレルギーの診断をしておきながら、療法食をすすめる時に小麦入りのフードを出してきたり、キキがシニアであることを忘れて(あまり病院に行かないのでおそらく数年前の印象のまま止まっていて)ここ最近は連れて行くたびにカルテの年齢を見て「えっ?」とビックリしていたり、やや天然なところもある先生で…今回の一件も笑い事ではないけれどちょっと笑ってしまいました。

先生、しっかりしてよー!!!(笑)



…というわけで、3話連載でお送りしてきたシンデレラストーリーもこれにておしまい。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。

これからもシッターとしてふたりのシンデレラストーリーの続きを末永く見守り続けていけたらと思っています。

▼ラストはもう二度と見られないリンちゃんの野生ショット。捕まえてきたヘビで遊ぶリンちゃん…忘れられない光景です(^-^;
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posted by グリーンジャック at 17:54| Comment(0) | お仕事-シッター日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする