昨晩、先月このブログでもご案内した『災害時のペット対策講習会』に参加してきました。
▼こちらが会場の様子と配布資料
▼会場には災害対策として準備しておきたいペット用品の見本や、被災地での避難所や動物救護の様子を写真で伝えるパネルの展示もありました。
講習会は区役所の職員さんのお話と、中区の獣医師さんのご講演の2部構成。
区役所の職員さんからは、現在中区で登録されている犬の頭数と猫の推定頭数や、先日大鳥小学校で行われたペット同行避難訓練についてお話があったほか、これまで震災のあった被災地での動物たちの様子がスライドで紹介され、限られた資材やスペースでどのようにペットの避難場所を確保したのか、実際にどんなトラブルが起こり、その教訓としてどんな対策が必要なのかというお話がありました。
大鳥小学校でのペット同行避難訓練については先日タウンニュースの中区・西区版で紹介されていましたので、記事のリンクを貼っておきます。
【タウンニュース中区・西区版】
ペット同行で避難訓練 市内初、モデルケースに
http://www.townnews.co.jp/0113/2017/02/02/368295.html
被災地のスライドでは避難所となった小学校の校庭にテントを張り中にケージを並べた避難場所で過ごす動物、避難場所での共同生活が難しく飼い主さんと車の中で過ごす動物、避難所に入れず車もなく、屋外でがれきの中から探した木箱や毛布を寝床として過ごしている犬などの写真がありました。
さらには、上記のように雨風がしのげているならまだ良い方で、屋外に打った杭に野ざらしで係留された状態の犬もいたとのこと。
あまりに過酷な環境ですが、これが現実なのだなと思い知らされました。
スライドで紹介された動物たちが、今は飼い主さんと暖かい場所で幸せに暮らせていることを願わずにはいられませんでした。
続く獣医師さんの講演では、もし横浜で災害が起こったらどうなるのか、発災から日常を取り戻すまでに動物たちとその飼い主がたどる道を、時系列に沿ってお話しくださいました。
客観的なデータとこれまで被災地救援にあたられたご経験を交えたお話は大変わかりやすく具体的で、イメージが湧きやすかったです。
時系列で物事を考える重要性に気づかされたのが、いざ災害が発生した場合、大型犬の飼い主さんは自分の身とワンちゃんの身を守りながら、さらに大型犬を収容できるケージと数日分のフードやお世話グッズを持って避難できますか?という先生の問いかけでした。
最近はペットの避難用グッズをしっかりそろえていらっしゃる飼い主さんも多く、もちろんその備えは大切なのですが、まずはワンちゃんを連れて安全な場所へ避難するのが最優先、お世話グッズが必要になるのはその次の段階なわけです。
どの段階で自分たちがどのような環境に置かれ、いつ何が必要になるのか、順序立てて想像し、考えてみることが必要だと感じました。
また、昨今は「ペットは同行避難が基本」という考え方が浸透していますが、だからと言ってペットを連れて避難所に行けばどうにかしてくれるという考えは通用しないということも力説されていました。
現在中区には登録されている犬が約9千頭、未登録の犬が約4千頭(推定)、猫が約1万3千頭(推定)おり、犬猫だけでも合計2万6千頭にのぼる動物が暮らしています。
その頭数を中区の地域防災拠点(主に小学校)の数で割ると、1ヶ所平均で1,800頭の動物を受け入れなければならない計算に…これはどう見ても無理のある数字です。
こうして客観的に数字で見てみると「避難所に行けばどうにかなる」という考えでは甘いということがよく理解できますね。
中区獣医師会ではただいま啓発のため災害マップを作成中だそうです。
区内の動物病院や災害拠点、準備しておいた方が良いものなど、獣医師さんの目線でまとめられたもので、近く区役所や動物病院での配布を予定しているそうです。
私も手に入れたらまたここでご紹介したいと思います。
講演後の質疑応答タイムは参加者から熱心に質問も寄せられ、あっという間に1時間半の講習会は終了。
昨晩はみぞれまじりの雨、あいにくのお天気で参加者は少なめでしたが、もっとたくさんの方に聞いていただきたかったなと思える、有意義な内容でした。
こうした講習会や冒頭に紹介した避難訓練など、自治体と地域住民が連携し、災害について考えられる場が今後さらに増えていくと良いなと思います。
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2017年02月10日
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