第1回となった前回は、看板猫・キキがこの秋受診した健康診断の話題を書きましたが、第2回の本日はネコちゃんに多い、ある病気について掘り下げていきたいと思います。
ネコちゃんに多い病気のひとつに、甲状腺機能亢進症があります。
もちろんワンちゃんがかかることもありますが、圧倒的に10歳を過ぎたシニアのネコちゃんの罹患率が高く、早い子では5歳〜6歳でかかる場合も。
猫種や性別による罹りやすさの差はないといわれています。
甲状腺とは喉の部分にあるホルモンの分泌腺で、甲状腺から出るホルモンは身体の代謝を活発にする役割があります。
「亢進(こうしん)」とは高ぶり進むこと。
つまり甲状腺が働きすぎてしまうのですね。
甲状腺から過剰に分泌されたホルモンが必要以上に代謝を促進してしまうために、エネルギーをたくさん使ったり、心臓をはじめ様々な臓器を動かしすぎてしまうというのが特徴です。
※反対に、甲状腺の働きが鈍ってしまう病気が「甲状腺機能低下症」です。
最初にネコちゃんに現れるのは、
・よく食べる
・活発になる
・食べているわりに痩せている
などの症状。
そのうち
・水を飲む量、オシッコの量が増える
・落ち着きがなくなる
・イライラしている
・性格が変わる(攻撃的になる等)
といった変化が出始め、
進行すると
・目立って痩せてくる
・毛艶が悪くなる
・毛が抜ける
・筋肉がなくなる
・食欲がなくなる
・下痢や嘔吐
・心臓、腎臓、肝臓等臓器の機能障害
…と、徐々に重篤な症状が現れます。
甲状腺機能亢進症が厄介なのは、初期症状がおおよそ病気だと思えないものであること。
「よく食べて活発に動く」イコール「うちの子は健康」という勘違いをしてしまい、発見が遅れやすい傾向にあります。
ちなみに同じ甲状腺機能亢進症でも人間とネコちゃんとではまったく深刻度が異なります。
人の場合この病で死に至ることはほぼありませんが、ネコちゃんの場合治療をしなければ必ず死に至る病(=絶対に治療が必要な病)なのです。
「あれっ?」と思ったら、小さな変化でもかかりつけの獣医さんに相談されることをおすすめします。
さて、今回なぜ甲状腺機能亢進症について書いているかというと、実はお客様のネコちゃんにこの病気にかかっている子がおり「病気の早期発見のための啓発や、同じ病気で頑張っているネコちゃんの飼い主様への情報提供のため、是非ブログで甲状腺機能亢進症のことを取り上げてほしい」とご提案があったからです。
そのお客様からはおすすめの動物病院の情報などもお寄せいただいているので、続きは次回、甲状腺機能亢進症の治療法と動物病院のご紹介などを交えてお送りしたいと思います。
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