第2回の前回は、猫の甲状腺機能亢進症【Part1】と題して、その特徴や症状についてお話ししました。
第3回の今回は、その続編です。
甲状腺機能亢進症は血液検査で血中の甲状腺ホルモンの量を測定し、ホルモンが異常に上昇していることを確認し、確定診断に至ります。
治療方法は内科治療(お薬による治療)と外科治療(手術)の大きく2つに分かれます。
まず最初に選択されるのは内科治療である場合が多いです。
抗甲状腺薬で出すぎているホルモンの量を抑えるのですが、ネコちゃんによって代謝量が違うため、お薬の量が合っているかどうかは、投薬後に検査し、結果を確認しながら治療を進めます。
ただ、ネコちゃんによってはお薬が体に合わなかったり、副作用が出たりすることもあります。(ネコちゃんに副作用が出る確率は2〜3割程度といわれています)
また、お薬により甲状腺ホルモンはうまくコントロール出来ていても、ネコちゃんの体内で甲状腺機能亢進症そのものは進行し続けるという症例もあり、それに伴い腎不全や心不全が進行してしまう場合も。
さらに、それ以前の問題として毎日飲み薬を飲むことが難しいネコちゃんもいるかもしれませんね。
そんなネコちゃんたちが選択するのが外科治療です。
外科治療とは、一言でいうと手術によって過剰にホルモンを分泌している甲状腺を取り除く治療方法です。
もちろん手術や麻酔に伴う負担やリスクは軽視できませんが、手術をすればほとんどの場合完治が望めて、お薬を飲み続ける必要が無くなります。
甲状腺機能亢進症の手術は日本では大学附属の動物病院や高度医療センターなどで行われることがほとんどですが、今回お客様がオススメしてくださったのは兵庫県三田市にある『南が丘動物病院』さん。
個人病院ですが、動物病院の中では最大級の書籍をお持ちで、更にクリニックでは珍しくCT等の先端医療機器を保有され、高度医療を維持するためのネットワーク作りにも大変熱心な病院です。
今回こちらの動物病院をご紹介くださったお客様は私よりもはるかに獣医療や動物病院にお詳しい方で、今回ご自身の愛猫ちゃんの手術にあたり、多数の病院を比較検討され、実際にそれぞれの院長先生ともお話を重ねられ、こちらの病院が最も信頼できるとご判断されたとのことでした。
私もインターネットの口コミなど、真偽のほどが定かでない情報はここには書かないようにしていますが、信頼できるお客様からの情報として、皆様にお知らせしたいと思った次第です。
少し専門的な話をしますと、甲状腺機能亢進症の手術では、甲状腺にくっついている上皮小体(副甲状腺)という臓器の機能を損なわないよう、いかに良い状態で残せるかが最も重要なポイントとなります。
南が丘動物病院の院長先生(菅野信二先生)は、猫の甲状腺機能亢進症においては先駆けといえる時期から長年研究に取組まれており、特に前述の上皮小体(副甲状腺)の微調整等という点においてトップレベルの技術をお持ちです。
シニアのネコちゃんの手術経験も豊富で、手術を受けたネコちゃんたちの予後も大変良好。
手術前の診察や相談にもとても親身に対応してくださる先生だそうです。
ご参考までに、菅野先生が書かれたネコちゃんの甲状腺機能亢進症に関するコラムをいくつかピックアップして載せておきます。
▼猫の甲状腺機能亢進症の治療:内科療法?外科手術?どちらを選ばれますか。
※菅野先生ご自身が飼われていた甲状腺機能亢進症のネコちゃんの手術例が掲載されています!
http://www.minamigaokaah.com/column/column_20180928_1482.html
▼ネコの甲状腺機能亢進症
http://www.minamigaokaah.com/column/column_20140928_865.html
▼猫の甲状腺機能亢進症 手術週間?
http://www.minamigaokaah.com/column/column_20161008_1195.html
(閲覧注意:手術中の写真が掲載されています)
▼猫の抗甲状腺剤による痒みの副反応
http://www.minamigaokaah.com/column/column_20140928_865.html
ネコちゃんの甲状腺機能亢進症は、治療を行わなければ命に係わる病気ですが、治療を行えば完治または良い状態をキープすることが可能です。
どの病気にも言えることですが、まずは早期発見!
ぜひ小さな変化を見逃さず、定期的な健康チェックをしてあげてくださいね。
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