2021年05月13日

看板犬ジャック、経過観察項目が増えるの巻【その2】

前回の続きです。

初期の慢性腎不全であるとの診断を受けた看板犬・ジャック。
かかりつけの先生からは直ちに療法食を開始することと、早期の投薬治療開始もすすめられました。
が、私は先生の提案(療法食や投薬)をいったん保留にし、結論は出さずに帰宅しました。
今日はその理由について書きたいと思います。

かかりつけの先生はインフォームドコンセントを大切にする方で、検査結果の説明から、病気の症状や進行、治療の選択肢など、とにかく時間をかけて丁寧に説明をしてくださるのがとてもありがたく、長年信頼を置いています。

今の動物病院にお世話になったきっかけは、以前かかっていた動物病院での経験(これについては話すと長くなるので、またの機会に…)が元になっており、それ以来、動物病院ではどんな些細なことでも疑問があれば必ず質問、相談し、先生とのコミュニケーションや信頼関係を何より大事にしてきました。

先生にしてみればあれこれ細かいことまで聞かれて面倒くさい飼い主でしょうが(笑)、それでもいつも話しやすい、質問しやすい空気を作ってくださる先生には本当に感謝しています。

さて、ひと通り先生の説明を聞いた後、私は結論を出さない代わりに、先生に以下の質問と相談をしました。

・緊急性の確認
この日、たった数分の間に慢性腎不全の初期から末期に至るまでの症状や治療法の説明を一気にまとめて聞いたわけですが、自分が冷静でなかったり、視野が狭まってしまうと、あっという間に症状が進んでしまうような焦りや不安を覚え、末期が近い未来にあると錯覚してしまいがちです。
何を判断するにしても「結局進行のスピードってどのくらいなの?」「(療法食や投薬など)治療に対する判断は一刻を争うものなの?」という“時間軸”の情報がなければ…と思い、まず最初に緊急性を尋ねました。
先生からは「この1,2週間、1ヶ月でどうこうなるものではないので、3〜4ヶ月に1回くらいのペースで検査をし数値を見ながらの対応で大丈夫です(つまり緊急性は低い)」との回答。
それなら家族とも話し合い、老犬クリニックの先生のセカンドオピニオンも聞いてみようと、その場で結論を出さずに帰宅しました。

・療法食(原材料)への抵抗感
病院から腎臓用の療法食のサンプルをいただいたのですが、原材料を見てみるとどれもほとんど「小麦」や「トウモロコシ」の文字が…!
ジャックは食物アレルギーがあり、小麦はNG、トウモロコシも注意が必要な体質。
幸い今は手作り食とマコモのおかげでアレルギー症状とはほぼ無縁の良い状態をキープできているだけに、小麦の入った療法食を食べ続けることで、たとえ腎臓の数値は下がったとしても、体内に蓄積した小麦がいずれアレルギー症状を引き起こすことは目に見えていて、そこにまず抵抗を感じていることを先生に伝えました。

ちなみに、先生にはジャックが3歳の頃からアレルギー検査を始め皮膚トラブルの経過を長い間診てもらっていたのですが、先生どうやらジャックが小麦アレルギーであることをすっかり忘れて小麦入りのサンプルを出してこられたようで…
毎日たくさんのワンニャンの診察をこなしているので1頭1頭の細かな体質まで記憶できないのは止むを得ないですが、正直「先生もうちょっと頑張れ!」と思ってしまいました(^-^;

その後、小麦の入っていないアレルギー対応の療法食のサンプルを奥から掘り出してきた先生。
「最初からそれ持って来いやー!」とツッコミたい気持ちをぐっとこらえ、「へぇ〜こんなのもあるんですね〜」と言っておきました(笑)

・療法食(脂質)への抵抗感
腎臓用の療法食、サンプルを見てみるとパッケージの内側が何だか脂ぎっていました。
それもそのはず、腎臓用の療法食はリン、タンパク質、ナトリウムを制限しているため、タンパク質でカロリーがとれない分を脂質を多くしてカロリーを補っているためにどうしても脂っぽくなってしまうというわけです。
加齢と共に肝臓の数値(ALP)も高くなっているジャックにとって、この脂っぽいフードを食べさせて肝臓に悪影響が出ることにも抵抗を感じ、これも先生に伝えました。

・「腎臓の数値を下げる」=「健康」なのか?という疑問
たしかに療法食だけを食べ続け、リン、タンパク質、ナトリウムの摂取制限をすれば、腎臓の数値は下がって検査結果は良くなるかもしれません。
でも、「数値を下げること」がイコール「健康」なのか?という点が私の中で一番引っかかっていました。

腎臓の数値が良くなったとしても、例えば皮膚がアレルギーでボロボロ、かゆみ止めのステロイドが手放せない状態になったとしたら。
療法食の脂質で肝臓の数値がさらに上昇してしまったら。
それでも「療法食のおかげで良くなってよかったね」と喜べるだろうかと考えました。

さらに、老犬クリニックの先生からはジャックの筋肉を衰えさせない(筋肉量を減らさない)ためにも、毎日の食事でしっかりタンパク質を取ってくださいとのアドバイスを受けており。。
今は鍼灸整体治療と食事療法がうまく効いていて足腰の調子も安定中ですが、タンパク質の摂取制限で筋肉が衰え、血行が悪くなり、再び足腰が悪くなったら…

先生には腎臓の数値を下げることを最優先にするのではなく、ジャックの全身の健康のバランスとQOLを優先したいということを伝えました。


先生への質問&相談、こうして文章にすると私が先生の治療方針の提案に異を唱え、診察室は険悪なムードに包まれたのではと思うかもしれません。
が、実際はとても和やかな会話でした。

例えば緊急性を尋ねた時。
私は深刻な表情は一切せず「先生、ぶっちゃけ今の数値だと緊急性ってどんなもんですかねー?」と笑顔で聞きました。
愛犬の一大事、もっと真面目に聞けよ!と怒られそうですが、眉間にしわを寄せて深刻に何かを尋ねるのと、余裕のある表情で何かを尋ねるのとでは、相手の返答が変わってくると思うのです。
私がざっくばらんに「何言われてもOKでーす!」という雰囲気を出すことで、一般的な治療方法や建前の話の一歩先、先生の主観や本音に近い意見なども聞きだせたらなという作戦です。

さらに、自分の中で引っかかること、迷っていること、反対意見なども、気兼ねせずあえてハッキリ伝えます。
セカンドオピニオンを受けるのはかかりつけの先生に悪いと遠慮する方も多いですが、私はそれも先生に言ってしまいます。
コソコソしたって仕方ないですから。
もう完全に遠慮のないオバサンです(笑)

そんなわけで、今回も先生と腹を割った有意義な話ができ、私の意見にも「確かにその可能性もありますね」「そういう考え方もありだと思います」と理解を示してくださいました。

今回もすっかり長くなってしまいました。
…というわけで、セカンドオピニオンの話、今後ジャックの腎臓のケアにどう向き合っていくかという結論は、また次回に(^-^)/

▼これが例のアレルギー対応の腎臓療法食。
図1.jpg
フードの粒を見せる透明な小窓、やっぱり脂ぎっています。。


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posted by グリーンジャック at 22:14| Comment(0) | 愛犬のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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