2024年03月16日

幸せネコちゃんのシンデレラストーリー<第1話>

今日から3回の連載で、とびっきり幸せなネコちゃんのシンデレラストーリーをお届けします。

主役はこのふたり。
リンちゃん(左)&レオちゃん(右)。
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12年あまりの地域猫生活の末、昨年秋に晴れて家猫デビューを果たしました!

今は暖かいお家で幸せに過ごしていますが、ここに至るまでには様々なハードルがあり、決して平坦な道のりではありませんでした。
そのハードルをひとつひとつ乗り越えて来られた過程には一人でも多くの方に知っていただきたい啓発のポイントがたくさんあり、ぜひブログに残しておきたいと思い、飼い主様の許可を得て今回記事にさせていただきました。

長くなりますが、よかったらお時間のある時にお読みいただければと思います。



さかのぼること今から9年前の2015年。
まだ開業して1年も経たない私のもとに、1本のお電話が入りました。
「地域猫のシッターをお願いすることはできるのでしょうか?」と非常に遠慮がちなお問い合わせ。
詳しいお話をお聞きしようと後日お打ち合わせに伺うと、ただごはんをあげるというだけではなく、不妊去勢手術をし、必要に応じてケガや病気などの治療もし、ご近所の方の了解を得てお世話をされているとのこと。
「そういうことなら喜んでお世話させていただきます!」とシッターをお引き受けしました。

▼昔を思い出そうとブログをさかのぼっていたら…9年前のお問い合わせについて綴ったブログがありました!
2015年2月6日掲載:こんなお世話も「あり」です。



実は、このお問い合わせをくださったのは一昨年の暮れに虹の橋へと旅立った、ヘイジくんの飼い主様。
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この頃まだヘイジくんはお留守番の時にペットホテルを利用していたため、ネコちゃんたちの方が長いお付き合いなんです。

▼ちなみに、ヘイジくんのシッター予行演習、初シッターの時のブログもありました!
2015年11月12日掲載:とっても知性派!ヘイジくん
2018年5月29日掲載:GWシッター日記(その1)



話を元に戻します。
リンちゃん&レオちゃんは2011年、野良猫のお母さんからきょうだいとして生まれました。

その地域ではふたりの母猫を含め野良猫がとても多く、住民の皆さんの悩みの種でした。
ふたりが生まれてしばらくした頃、地域住民と動物愛護団体の協議の末に野良猫の一斉捕獲&不妊去勢手術が行われ…まだ幼く手術ができる月齢に達していなかったリンちゃんとレオちゃんは捕獲見送りとなりました。

すくすくと成長し、やがて手術ができる月齢となったリンちゃん&レオちゃん。
その地域にお住まいだった飼い主様はふたりの成長をずっと見守り続けていました。

ふたりを見守りながら、飼い主様の心の中にはたくさんの思いが交錯していました。
無責任な人間たちの手によって増えてしまった野良猫たちが罪もないのに疎まれ邪魔者扱いされている現状、外で暮らす野良猫たちの過酷な環境、お世話をしてあげたい、でも一時の気持ちだけで簡単に命あるもののお世話に手を出すべきではないという葛藤――真剣に自分自身と、そしてふたりの小さな命と向き合った末、ついに二人を地域猫としてお世話し続けることを決心されたそうです。

決意を固めた飼い主様は、すぐに行動を開始。
まずはふたりのお世話をすることについて、ご近所の方へご理解を得るべく、ご説明に回られました。
ふたりを不妊去勢手術の後、地域猫として自宅の敷地内でお世話することを伝えると、ご近所の皆さんの反応はとても温かく、感謝される方もいらっしゃったといいます。

地域猫活動は環境省や各自治体も推奨している活動ではありますが、外で猫のお世話をしていると(それがルールに則り、近隣に配慮された地域猫活動であっても)まだまだ嫌な顔をされることも多く、きちんと町内や近隣のご理解を得られているという前提は何よりも重要!
飼い主様がここを最初にきちんとしてくださっていたおかげで、後に私がシッターに伺ってからも本当にお世話がしやすくて助かりました。
お世話中に通り過ぎるご近所さんはリンちゃん&レオちゃんに温かいまなざしを向けてくださるだけでなく、私にも会釈をしてくださったり、「ごくろうさま〜」と声をかけてくださったり、すっかり顔見知りになって立ち話で盛り上がってしまったり、本当に穏やかで心優しい住民の方々に恵まれた場所でした。



こうして始まったリンちゃん&レオちゃんの地域猫生活。
飼い主様は充分な食事と快適な寝床を敷地内に用意してふたりを受け入れました。

最初の1〜2年は猫風邪にかかったり、他の猫に攻撃されて大けがをしたり、何日も姿を現さなかったりと心配な出来事も多かったそうですが、そのたびに病院に連れて行き、投薬をし、姿を探し、懸命に必要な治療やケアを続けた飼い主様、来る日も来る日も
「ここに来ればおなかいっぱいごはんが食べられるよ」
「ここなら安心して眠れるよ」
ということをお世話を通じて根気強くふたりに伝え続けました。
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リンちゃん&レオちゃんの地域猫生活も3年を過ぎる頃には、ふたりの体調も安定し、危険な目に遭ってケガをするようなこともなくなり、決まった行動範囲の中で穏やかな生活を送れるようになっていました。
ちょうどその頃、冒頭のお問い合わせのお電話をいただき、私は初めて飼い主様とリンちゃん&レオちゃんにお会いしたのです。
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撮りためたたくさんの写真の中から掘り起こした9年前の1枚。
初めて会った頃のリンちゃん&レオちゃん(推定3〜4歳くらい)お顔がまんまるで、まだ表情にはあどけなさも残って、可愛らしい💕


初回のお打ち合わせでふたりのお世話内容や生活環境を拝見した時、私は心底驚きました。
これまで地域猫ちゃんのお世話の様子を何軒か見てきた中で「だいたいこんな感じかなぁ」と想像していたものと、はるかに違っていたからです。


…というわけで第1話はここまで。
次回はリンちゃん&レオちゃんの驚きの地域猫ライフと、シッティングの様子、シッターが必要になった背景についてお話ししていきたいと思います。


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posted by グリーンジャック at 12:33| Comment(0) | お仕事-シッター日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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