幸せネコちゃんのシンデレラストーリー<第1話>の続きです。
9年前に初回のシッターご依頼を受け、初めて会った地域猫のリンちゃん&レオちゃん(当時推定3〜4歳)
ご契約とお世話方法の打ち合わせのためご自宅に伺い、ふたりの生活環境を見せていただくと、これまで地域猫ちゃんのお世話の様子を何軒か見てきた中で「だいたいこんな感じかなぁ」と想像していたものとはるかにレベルが違っていて驚きました。
まずは、食事。
ごはんは朝晩2回と、お昼の間食で1日3回。
朝晩のごはんはドライフードとウェットフードを、飽きないよう毎日違う種類のものをローテーションしながらもらっていて、間食にはちゅ〜るやスープなど水分補給ができるものを。
「おかわり」や「もうちょっと違うもの食べたいなぁ」というふたりのリクエストにもできる限り応えていらっしゃいました。
▲ドライフードに、ウェットフードに、おやつ…お皿をたくさん並べて豪華フルコース!
ふたりの暮らすエリアは緑豊かで虫や小動物も多い場所だったので、食べ物を出しっぱなしにして他の猫、カラス、タヌキ、アライグマなど他の動物が食べに来ることがないよう、食事が終わるまで見守り、終わったらすぐに片付けて食器を洗浄。
常に置いてあるのは飲み水の器だけ、という状態を徹底していました。
次に、住環境。
寝床は敷地内の屋根のある場所に、ふたり一緒に入れる大きさのハウスを設置してもらい、ハウスの中には夏は肌触りの良いタオルを、冬には暖かい毛布を敷いてもらっていました。
雨の日の翌日には濡れて汚れたタオルや毛布は新しいものに交換してもらったり、寒さが厳しい季節には暖を取れるよう毛布の間に使い捨てカイロを挟んでもらったりと、常に快適で衛生的な環境をキープ。
(どの写真を見てもわかりますが、リンちゃん&レオちゃんとても毛並みが良く、被毛の白い部分が真っ白で、食事と衛生面の充実を物語っています!)
さらにジャングルジムや爪とぎ、
日向ぼっこができるベンチも置いてもらい、
夏には暑さをしのげるようサンシェードで日陰も作ってもらっていました。
そして、外で暮らすネコちゃんにはつきもののトイレの問題。
飼い主様はご自宅の庭の一角に砂場を作ってふたりのトイレも準備しました。
それでも外で過ごしているふたりの排泄を100%コントロールできるわけではありませんでしたが、そこは近隣のご理解を得てお世話をスタートされているため大きなトラブルやクレームになることはなく。
飼い主様も最初に話を通して終わりにはせず、折に触れて「ご迷惑おかけしていませんか?」とご近所さんへのご挨拶やご配慮を欠かさず続けておられました。
以上のように、ふたりが過ごしているのが外であるということを除いては、お家で飼われているネコちゃんと遜色ない環境で、ふたりが想像の何倍も、何十倍も手厚いお世話をされていることにただただ驚き、これをずっと継続してこられた飼い主様に頭の下がる思いでした。
社交的で空気を読むのが上手なリンちゃんと、人見知りで警戒心が強いレオちゃん。
リンちゃんは私が伺うといつもご機嫌でお出迎えしてくれて、ごはんを食べに来なかった日は一度もなく皆勤賞💮
一方、警戒心の強いレオちゃんは、昼間出かけた先で怖い思いをしたり、お家の近くで工事をしていたり、お家への道中に他の猫がいたりすると、ごはんを食べにお家に戻って来られないということがありました。
ごはんの合図の呼び鈴を鳴らしてもご近所を見回っても姿がなく…諦めて食器を全部片付け、戸締まりをし、次のご予約のお客様宅へ向かおうとしたところにひょっこり帰って来たレオちゃんの姿を見つけ、もう一度お家に戻ってごはんをあげたこともよくありました。
▲私が帰る頃にひょっこり「あのー…今帰ってきたんですけど…」のレオちゃん。
次の予定もあるし、時間もオーバーしてしまうし、レオちゃんに気づかないふりをして移動することもできないわけではありませんでしたが、それはどうしてもできず…
外で暮らす地域猫ちゃんにとって、1食1食のごはんは大切なライフライン。
お家で飼われているネコちゃんなら明日も確実にそこに居てくれますが、外で暮らすネコちゃんは明日も必ず会えるという確証はありません。
なのでどんな状況でも会えた時には確実にごはんをあげるということを徹底していました。
さらに、ふたりと接する時にはもうひとつ心がけていたことがありました。
それは、信頼関係は築きますが仲良くはなりすぎないということ。
その理由は6年前の記事に綴っていますので、ご興味のある方は下記リンクからご覧くださいね。
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2018年6月29日掲載:地域猫ちゃんのお世話
そもそもリンちゃん&レオちゃんのシッターにお伺いすることになったきっかけは、飼い主様が離れて暮らすお母様のところへ定期的に帰省をする必要があったため。
最初のきっかけは「帰省」でしたが、その後9年間シッターにお伺いする間に飼い主様ご家族や、ヘイジくん、リンちゃん&レオちゃんを取り巻く状況も少しずつ変わっていき…ライフステージが進んでいくにつれ、シッターが必要になるタイミングも、ご要望も変化していきました。
まずは心臓に持病を抱えていたヘイジくんのお留守番。
若くて健康な頃は常に人の目がある方が安心なためペットホテルを利用されていましたが、警戒心が強く人見知り&犬見知りするヘイジくん、ペットホテルで不安や興奮を抱えながら過ごすよりも、慣れたお家でお留守番する方が心臓への負担が少ないのではとの理由から、シッターでのお留守番に切り替え。
これに関してはかなり前もってご相談をいただき、予行演習も何度かさせていただきました。
さらに、お母様のご病状の悪化に伴い急な帰省の可能性が出てくると、こちらも事前にお打ち合わせをさせていただき、鍵を常時お預かりする形に切り替え。
おかげで私自身も心づもりができ、有事の時にすぐ動くことができたのでとても助かりました。
さらに、数年前には飼い主様ご自身の入院に伴う長期お留守番もありましたが、既に長らくご愛顧いただいた中での信頼関係もあり、様々な事態に備えてお打ち合わせやご相談を重ねていたため、特に混乱もなく、退院の日まで滞りなくお世話を終えることができました。
リンちゃん&レオちゃんのお宅と同様に、人とペットの高齢化が同時に進行していたり、共に持病を抱えていたりというお宅はかなり多く、その一方でそれらに対する対策は充分でないお宅がまだまだ多いのが現状です。
そんな中で、飼い主様は有事になる前に様々な事態を想定し、ご家族の皆様やヘイジくん、リンちゃん&レオちゃんにとってどうするのが最善なのか、どんな対策ができるか、日々悩みながらも真剣に考え、さらに有事が2つ以上同時に起こった場合の対応の優先順位などもきちんと検討されていました。
飼い主様が悩み考える過程では、私も何度かご相談をお受けし、僭越ながらアドバイスもさせていただきましたが、そのたびに「こんなに真摯に向き合ってくださる飼い主様がいらして、ヘイジくんもリンちゃんもレオちゃんも本当に幸せだなぁ」と嬉しくなると同時に、こんな飼い主様がもっともっと増えていってくれることを願わずにはいられませんでした。
…というわけで第2話はここまで。
次回・第3話はいよいよ完結編!
リンちゃん&レオちゃんの捕獲からお家デビューまでのドキュメンタリーをお届けします。
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2024年03月24日
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