先日、開業記念日のブログで国家試験にチャレンジすることをお伝えしました。
今夏〜来春の営業にもかかわる大きな決断となりますため、経緯も含めて丁寧に状況をお伝えできればと思います。
少し長くなりますが、お付き合いください。
2022年5月1日に「愛玩動物看護師法」が施行され「愛玩動物看護師」という国家資格が誕生しました。
これに伴い2023年からは年に1回、愛玩動物看護師の国家試験が行われ、国家資格を持つ動物看護師が輩出されています。
近年、犬猫をはじめとしたペットのご長寿化・高齢化に伴い、持病を抱える動物の数も増加の一途で、より高度かつ多様な獣医療のニーズが高まっています。
この状況を受け、これまで診療行為を禁じられ、動物の保定等の簡単な補助しか認められていなかった動物看護師に対し、必要な知識及び技能について試験を行い、合格した人には獣医師の診療の補助をできるようにしようというのが、前述の法律および国家資格の制定の目的です。
この法律の施行に伴い「投薬」は診療行為に該当するため、国家資格を持つ獣医師・動物看護師以外の者が業務として投薬をすることは禁止となってしまいました。
無料なら(投薬料として代金を取っていなければ)良いのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、投薬をはじめとする診療行為は「無償独占業務」と定められており、たとえ無料でも業務として実施することは違法となります。
私自身、開業前に(その頃はまだ国家資格がなかったので)民間資格の「小動物看護士」「小動物介護士」の資格を取り、飼い主様のご要望があれば投薬等のご要望にもお応えしてまいりました。
しかし、現時点で国家資格を持たない私がペットシッターとして投薬を行うことは、今の法律では違法行為となってしまいます。
ちなみに、ペットホテルも同様で、スタッフさんが獣医師または愛玩動物看護師の国家資格を持っていなければ、お泊まりの間に投薬をお願いすることはできません。
そうなると飼い主様がお留守の際、投薬の必要な子の預け先は動物病院一択ということになってしまいます。
お留守の間に動物病院に預けることが決して悪いとは思いません。
重病の子などは、常に人の目があり急変時にすぐ対応していただける病院でのお泊まりが最善策だと思います。
ただ、そこまで状態が重篤な子はほんのひと握りで、実際には持病があってもお薬などでコントロールをしながらお家で穏やかに日常生活を送れる子がほとんどです。
これまで、たくさんのお客様になぜ当店を選んでくださったのかと理由をおたずねしてきましたが、「以前動物病院に預けたらストレスで体調を崩してしまったので、お家でお留守番させてあげたいと思って…」というご回答が少なくありませんでした。
緊張や警戒からずっと吠え続け&鳴き続けて声を枯らして帰ってきた子、眠れずに目を真っ赤にして帰ってきた子、さらにはごはんを食べない、トイレを我慢する、血尿を出すなど、様々な事例をお聞きする中で、慣れたお家でストレスなくお留守番ができるようサポートをする我々ペットシッターの役割は、実は自分が思っているより大きいものだなと身が引き締まり、それがこの仕事を続けるうえでの使命感やモチベーションにもなっていました。
ですので、資格がなければ投薬が必要な子のお留守番の選択肢にすらなれなくなってしまったのは、非常につらいところでもあります。
一方で、ペットシッターは開業のハードルが非常に低いお仕事でもあり、また、自分で開業せず他のシッターさんにアルバイトなどで雇ってもらう場合は未経験かつ無資格の人でも動物のお世話にあたることができてしまうため、これで良いのだろうかという疑問や不安がないわけではありませんでした。
なので、その点ではしっかりとした専門知識を持つ人にのみ動物の看護や投薬を許可するという法律や制度の趣旨はとても良いことだなぁとも思います。
さて、自分はどうしよう――
投薬が必要な子はお断りして、元気な子のお世話だけをお引き受けしながらこのままシッターを続けるのか。
資格を取って、投薬の必要な子のお世話もできるペットシッターとなるのか。
重大な経営判断ともいえる決断、日々の慌ただしさも重なってなかなか熟考できず、結論を出せないまま2年ほど逡巡しながら過ごしてきましたが、やはりペットの高齢化、長寿化が進む現代において今後さらに高まるであろう投薬のニーズを考えると、そこをに目をつぶることはできませんでした。
それに何より、今お世話をさせていただいている元気なワンちゃん&ネコちゃんたちがいつか歳を重ねて持病を抱え、お薬を飲むことになった時、それを理由にお世話をお断りしなければならないのは寂しすぎますから。
高齢の子も、持病を抱えた子も安心してお世話を任せていただけるシッターでありたい…これは、私の開業当初からのモットーでもあります。
というわけで、今後法律に則った形で業務として投薬を行えるようにすべく、来年2月の愛玩動物看護師の国家試験にチャレンジすることにしました。
今年50歳になる私の衰えた記憶力で受験生としてどこまで通用するかわかりませんが(笑)、せっかく受験資格があるので、このチャンスを生かしてみたいと思います。
夏からは学習時間確保のため、シッター業務を大幅にセーブし、休業期間を設けさせていただく予定です。
合格できるまでお客様にはご不便やご迷惑をおかけしてしまいますが、何卒ご容赦をいただければ幸いです。
夏からの休業期間については、次のブログ記事にて詳しくご案内いたします。
▼夏には17歳になりますが、持病もなく元気な看板猫キキ。
「私はまだまだ薬のお世話にはならないわよ!」だそうです。
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